2007年5月28日
トレイルランニング

野幌森林公園にてトレイルランニングをしてきた。トレイルランニングとは整地された道路ではなく、トレッキングをするような山野を走るという、アウトドア好きとしても楽しそうだし、ランナーとしては聞いただけで効きそうな練習となりそうなものである。最近、雑誌でも記事を良く見かけるようになってきており、先月の「ランナーズ」誌でも取り上げられていた。野幌森林公園は、車で数分のところにある札幌が誇る原始林をベースとしたフィールドで、適度な遊歩道が設けられていて、トレイルランの初級としてちょうど良さそうだ。レースも終わったのでいつものトレーニングの代わりに行ってみることにした。
今回は初めての経験なので、そんなに気合を入れず、お試し気分で1時間ほど走ってみることにする。野幌森林公園の入り口は幾つかあるが、そのうちの登満別口から入林する。最初、いつものようにiPodを装着しようと思ったが、車を降りたとたん、たくさんの鳥の声が聞こえたので、何も持たずに走ることにした。少しすると、細かいアップダウンが続くようになり、息が上がる。いつもの平地トレーニングではかなり早いペースで走らないと呼吸が苦しくなったりはしないが、急な坂の上り下りに自然と呼吸数、心拍数が高くなっている。しかし前日の雨でしっとりとした空気の中、木々のにおいがして、とてもいい気分だ。この森は木々が濃く、遊歩道以外の人工物はほとんどない。時折、2004年9月の台風18号で倒れた木が痛々しい姿を見せている。色々と周りを見ながらのランニングはあっという間に時間が過ぎ、気分よく予定通り10kmほどのトレーニングを終えた。
遊歩道には時折、横道が現れるが、目的の場所に行き着き、更に車まで帰ってくる必要があるので、慎重に標識を見ることになる。特に後半、道が細い箇所があり、行き先を間違えたりして、時々置いてある地図をじっくり見たりしていたので、かなりのんびりとしたトレーニングとなってしまったが、足首に負担がかかったらしく、帰ると少し痛かった。
それにしても原始林は自然が濃く、とても大都市札幌にいるとは思えないものだ。近所にこんなに自然を感じることが出来る場所があるなんて、とても贅沢なことだと思う。今後もトレーニング兼レジャーとして時々やってみたいと思っている。
2007年5月21日
洞爺湖マラソン2007 ~ 4時間と膀胱の戦い
競技としてのマラソンを意識したランナーにとって、フルマラソンで4時間をきるというのは一つの大きな目標であり、それが達成されるとそのランナーにとって大きな誇りとなる。昨年、それにチャレンジした初のフルマラソンでもある千歳JAL国際マラソンから約1年が経つが、今年は「洞爺湖マラソン2007」で再チャレンジすることを決めていた。千歳は標高差もかなりあり(42kmの半分を登って半分下る)、特に後半の下りが足に与えるダメージは大きい。タイムを縮めるのにはもう少し平坦なレースがしたいと思ったのだ。
フルマラソンのレースに参加する場合、大体3ヶ月前から準備を始めるのだが、洞爺湖マラソンの3ヶ月前というと2月20日。当然北海道は雪の中だ。例年だとスポーツクラブで優雅に月間100kmという感じだが、このレースのために今年は雪の中、外を走った。猛吹雪の中も厚着して走りにいく姿に、家族からは「そこまでやるの」、「ハマッテるね」とか痛い視線を送られたが、その通り。ハマッテしまっているのだ。ところが走り込みが必要な3月、雪の中、結構な距離を走れていたのだが、後半にインフルエンザにかかってしまい、直りも遅く思ったように距離を伸ばすことが出来なかった(月間走行距離162km)。
その後、4月には雪も解けて本格的な練習ができるようになった。今回の大会に向けての練習方針だが、30km走を出来るだけたくさんしようと思っていた。昨年は2回ほど30kmを走ったところで、こんなもんだろうと思って本番に臨んだが、結果は35km以降に対応できなかった。単純に考えると、もっと長い距離を走ったほうが良いような気もするが、30km以上走った時の体へのダメージを考えるとそうもいかない。そんなわけで30km走の回数を増やして、体を長距離に慣らしていこうという作戦だ。結局4月は、月間走行距離261km、30km走が3回、5月の初旬に34km走を一回と30km以上を計4回走ることが出来た。この練習では回を重ねるごとに体が楽になっていることが感じられ、練習の量、質ともはかなり満足のいくものであった。
さて、本番だが今回は洞爺湖での開催で、スタート時間も午前中であるため前泊することにした。洞爺湖温泉は安いところは取れないようだったので、壮瞥町、蟠渓温泉の格安に泊まれる「蟠渓温泉健康センター」に宿泊した。
宿には自宅で夕食をとってから出発し、1時間半ほどで到着。この宿は湯治のための鄙びた宿で、通常 2,000円で宿泊できる。今回は道路沿いの部屋ということでなんと1,000円でいいということであった。温泉自体はとてもよかったが、部屋は古く、隣の部屋との境も、引き戸一枚でプライベートはないといった不満もあったが1,000円では文句は何も言えない。大会前でお酒も我慢しているので、どこかの部屋で開催されているカラオケの歌声が館内に響く中、10時には就寝した。
翌朝起きて、まずはトイレに行く。今日のレースは開始時間が早く9時40分のスタートなのだが、いつも時間通りに便通があるわけではないのでかなり不安だった。しかもこの宿は懐かしの汲み取り式で、ウォシュレットなんて当たり前についていない。便通を即すために早く起きて散歩をしたり、温泉に入ったり、コーヒーを飲んだりして過ごしたのだが、中々出ない。しかし家から持っていったサトウのご飯と親子丼の素、バナナという朝食を食べて、しばらくするとビビッとくる予感があったので、トイレに行くと案の定、便通があり、安心した(この後、会場でもう一度、便通があった)。練習もしっかりできて、当日の体調も万全だ。天気も良いので期待できそうだ。
会場について、受付を済ませて知り合いを探したり、ブラブラとしているうちにスタートまで一時間となった。昨晩も飲んだのだが、足のこむら返りを予防する漢方薬「芍薬甘草湯」を飲む。尊敬するベテランランナーの方から教えてもらったのだが、昨年のレースでは足がつって動けなくなったので、祈るような気持ちでこれを飲む。ついでにバナナを一本補給。
40分前からアップ開始。20分前に荷物をあずけ、トイレに行った後、10分前にスタートラインの長い列の「4時間以内」というところに並ぶ。スタートライン付近にスズキムネオ氏発見(10km参加の模様)、ランナーたちと何か談笑している。今回のレースでは購入したばかりのランシャツ、ランパンを着たのだが、その服装では待っている状態ではかなり寒い。早く走って暖まりたい。
9時40分にスタート。スタートライン通過まではちょうど1分だ。スタート後しばらくは混雑で思うように走れなく、最初の1kmは5:50だった。その後はだんだんとバラけていって走りやすくなったが、まだ自分のペース間隔が戻らず、次の1kmは5:10とかなりのオーバーペースだ。今日はとにかく5:30を刻む予定。それで目標とするサブフォーには充分すぎるタイムが出せる。これではイカンとペースを下げようとするが、その後も今ひとつペースは安定せず、10km地点くらいで、ようやく予定通りのタイムとなった。
これとは別に5kmくらいから別の問題が発覚していた。寒さの中、中々体温が上がらず汗がでないため、トイレ(小)に行きたくなったのだ。そのうち汗がでて水分が膀胱から水分を再吸収してくれるだろう(?)とできるだけ我慢することにした。他のランナーも同じ悩みを持つ人が多いようで、トイレに行く人が続出し、トイレの前は大混雑だ。こんな状況では大きなタイムロスとなるので、やっぱりしばらく我慢することにする。立ち○ョンをする人も多くいたが、そういうマナーの悪いことは出来るだけしたくなかった。
コースは12km付近で唯一大きな標高差のある坂がある。その場所は車で何度も通っているのだが、そんな場所あったっけというくらいの印象で心配していなかった。事実、実際に通ってみるとあっという間に終わり、大した坂ではないように感じた。
20km地点には毎年行く「仲洞爺キャンプ場」がある。何しろ毎年行っているので、隅から隅まで知っているところだ。相変わらず膀胱が重い感じなのは変わらなかったが、この勝手知ったる場所を通ることを思い出し、ここで勝負に出た(何の勝負だ)。20kmのラインを過ぎたところで予定タイムより1分ほどの余裕があった。この余裕を使って、キャンプ場のトイレに行くことにする。トイレの場所は熟知していたので、トイレの裏にあるキャンプ場手前の入り口から最短距離でトイレに到着、無事用を足すことに成功した。となりで用を足していたおじさんと、
「いやー冷えるとちかくなって困るね」
「まったくですな」
というオジサン的会話を交わした後、トイレを飛び出してすぐにコースに戻る。するとすぐそこに給水所があり、これまで遠慮がちに飲んでいたドリンクを2杯ほど心配せずに飲むことができた。ここにはバナナの給食があったが、手をつけなかった。
ようやく膀胱が軽くなったのだが、もう20kmもきているので、そろそろ体の方が重くなってくる。しかしそんな時ふと見た風景が新鮮だった。車でもこの辺りには来たことがないので、物珍しさもあった。青い水面と、水辺の木々は見ているととても楽しく、特に後半の苦しいときには一時、気を紛らわせてくれた。例年、桜が満開時期のようだが、今年はもう時期が終わりかけている状態だったのはちょっと残念だった。
25kmくらいから少し苦しくなってきた。しかし、練習の時もこのくらいの感じはもっていたので、まだ想定内だ。30km地点の給水所で一旦立ち止まり、給水と充分にとってバナナを食べた。2~3回屈伸運動も行った。これからが勝負なので体をリセットしたかった。その後もじわじわと苦しくなったものの、淡々と走り、35kmまでは練習どおりであったが、問題はこれからなのは最初からわかっていた。
35kmを過ぎると体は別人のように重く、これまでのペースを維持することはできないと思った。ここまでは順調に余裕を持ったタイムで走れてきているので、少々のペースダウンは最後の最後に向けて必要なことだと思い、速度を下げようとするのだが、長い期間、このペースで練習してきているため、少しだけペースを落とすということが、どうしても出来ず、気がつくといつものペースで走ってしまう。まあこのペースでいけるならば、それはそれで問題ない。しかし体はつらく、1kmがこれまでの2倍、3倍に思えるくらいだった。39km過ぎには5:48までペースが落ちるが、なんとか40kmを過ぎ、残り2km地点に到達した。タイムはこの時点で3時間40分。ここでサブフォー達成を確信した。
しかし前には噂に聞いていた最後の坂があった。時間は余裕があるので問題はないが、坂がつらく思わず歩いてしまう。一回歩いてしまうともうだめで、走り出す元気が沸いてこない。結局開き直り、最後に走ってゴールするためにもこの坂は歩いて登ろうと思、い坂の頂上まで歩くことにした。700mほど歩いたのだと思うが、下りになったので、また走り出す。ところが一旦歩いた後は、足が前よりずっと重い感じだ。おまけに下りは足への負担が大きく、ふくろはぎがピクピクいっていた。
ゴールが見えてきて、応援の観衆も増えてきた。足は今にもつりそうだが、なんとか走ることが出来る。最後の200m程を余韻に浸りながら走り、ガッツポーズでゴール。手持ちのタイムは3:55:34、堂々のサブフォー達成である。ラスト1kmは5:38だった。
ゴール後、タグを外してもらったのち、湿布スプレーのサービスのイスに座ったとたんに足がつった。もうギリギリだったようだ。荷物を受け取って、ウインドブレーカを着てから、芝生でストレッチをして筋肉が落ち着くのを待つ。車にもどって着替えをした後、帰宅する前に、大会のサービスの無料の温泉入浴券で洞爺万世閣で入浴してさっぱりすることにした。TIMEXの防水時計なので時計をしたまま入ったのだが、お湯の中で今日のタイムを見ながらニヤニヤしてしまった。湯船からみた洗い場の風景は、通常メタポリック症候群な人たちで一杯だが、今日はアスリートたちの絞ったからだがズラリと並んでいて圧巻であった。
今回のコースはとにかく洞爺湖の魅力が充分に楽しめるものだった。千歳もいいコースだと思ったが、洞爺湖も負けず劣らず素晴らしかった。少し遠いので参加しずらい大会ではあったが、とても心に残るコースだった。
なにより長い間、目指してきた目標を達成することが出来て、大きな達成感を得ることが出来た。このような達成感は日常生活では中々得ることはできないもので、つくづくランニングを続けてきてよかったと感じた。生涯忘れないレースになると思う。